小児科
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一般の小児科が診療する子どもの急性疾患において、もっとも頻度が高いのは気道感染症と消化管感染症です。
子どもは鼻機能が未発達なため、気道感染症時に鼻閉、後鼻漏が容易に生じます。すると気管、肺に負担をかけ、咳、喘鳴が出現し、気管支炎、肺炎に進行し全身状態が悪化します。またのどから中耳腔へ炎症が波及すると中耳炎になります。すなわち気道感染症の時には、いかに鼻、のどの炎症を肺や中耳に進展させないかが重要になります。
当クリニックには、鼻や耳の診療に必要な器具が設備されています。具体的には耳鼻科ユニット、耳鼻科手術用顕微鏡、ネブライザー、鼓膜硬性内視鏡、喉頭副鼻腔用ファイバースコープ、耳鼻科用レントゲン装置、鼓膜切開用麻酔器、インピータンスオージオメトリー、聴力測定器など。これらの機器を使用し、器官の状態を評価しながら治療を進めます。
子どもの場合、腸管の常在細菌叢が脆弱なため、ウィルス感染症、抗生剤、全身状態の不良などで容易に常在細菌叢が乱れます。すると下痢や腹痛、腹満、嘔吐などの腹部症状が出現し、栄養状態が低下します。腹部症状が出現し始めたら、放射線被爆がない、腹部超音波検査ーで腸管の状態を、心臓超音波検査で脱水や循環状態を把握しながら、治療を進めることが大切です。
またこれらの超音波検査は、日常診療では虫垂炎や腸重積症、先天性心疾患や川崎病の冠動脈瘤の診断に欠かせない診断機器です。
最近、抗生剤の適正使用が感染症の治療に重要とされています。特に子どもへの抗生剤の使用は、気道粘膜に耐性菌の生着を誘導して、副鼻腔炎や中耳炎を難治化させるばかりか、川崎病、アレルギー、自己免疫性腸疾患のリスクを上げるという研究報告が出てきています。
小児、特に学童前の副鼻腔炎や中耳炎の少量マクロライド抗生剤の4週間以上におよぶ長期投与に、医学的根拠はなく、日本以外の国では行われていません。
症状や診察で抗生剤が必要とするのであれば、目的とする菌を確定して、有効な抗生剤を有効な期間、有効な量で処方することが義務付けられています。
当院での抗生剤は気道感染症のほとんどはウィルスであることから、初診では使用せず、慎重に経過をみて、途中、症状や所見の悪化があれば、培養、血液検査、尿検査をしてから必要期間の投与をいたします。
子育て支援も小児科を専門とする医療機関の重要な仕事です。当クリニックに併設された病児保育室「きりん」は、病児保育室の運営を弘前市から委託されています。お子様が病気の時でもご両親が安心して就業が継続できるように、病気の子どものための看護、保育の専門職が、ご両親のお迎えまで看護保育いたします。
小児科は子どもの病気ばかりではなく、成長や健康の維持のための支援も大切な仕事です。乳児健診や養育相談、予防接種を通してお子様の健全なこころと体の発育のお手伝いをいたします。
また子どもは夜間や休日に突然状態が悪化することがあります。当クリニックはかかりつけであれば、可能な限り連絡相談できるように努力しております。そして診療や支援を通して、お子様が健やかに育むためのお役に立ちたいと考えております。